帰福後、まずは実家へ。
かれこれ2年以上寝たきりで入院している父の見舞いに行くためです。
中島監督には喫茶店で待っていてもらい、車で母と病院へ。
一年ぶりの父はいっそう痩せ衰えていました。
昔はあれだけ豪快でユーモアのある男だったのに、もうギャグにもキレがありません。
歩かなくなったので脚は鳥のように細くなっています。
しかも糖尿病から緑内障を併発し、数年前から完全に失明しています。
私の作品を観てくれたのはSeason6の『相棒』くらいまでだったかな。
映画デビュー作『RISE UP』も実はまだ観ていないのです。というか、もう観られないのです。
それでも父に今回の映画を届けたいと思っています。
福岡で育った私が福岡を舞台に映画を作る。
映画では少年と父親との関係も描かれ、重要なテーマの一つとなっています。
たとえ見えなくても、父の目の黒いうちに何とか完成させたい。
ひどく個人的なことに多くの人を巻き込んでいるわけですが、映画ってむしろそういう誰かの切実な想いがないとダメなんじゃないかと思います。
政治の産物みたいなモノにしたくないから、自主製作という道を選んだ。
いま思えば、そんな気持ちもあったかも知れません。
オトン、もうちょい待っとってな。