レフ板をしっかり持ち、役者に光を当てる蓮とエリカ。
構図を決め、ファインダーを覗く倫太朗。
カチンコを構えるマリア。
「シーン3カット2テイク1!」
カチン!
天翔の声が響く。
「よーい、スタート!」
大人パートの役者たちのスイッチが入る。
油断していると天翔監督から容赦ないダメ出しが来るのだ。
タイムカプセルを探しにやって来た大学生が能古島へ上陸するシーン。
子供たちがスタッフで、演じているのは大人たち。
実に面白い光景である。
「カーット!すいません、もうちょっと土居さんテンション高めでお願いします。
あと後ろのエキストラの人たち、島に来たんだから嬉しそうにしてもらえますか」
恐るべし、天翔監督。
ちゃんと全体を見て演出を付けてるし、エキストラである自分の親たちにも平気でダメ出し連発。
まさに『なつやすみの巨匠』そのもの!
本編はこうやって自分たちで映画を作る少年少女の物語です。これこそ私が見たかった光景。
最高です。天翔君なんかもうシュンそのものですよ。
中島監督も素晴らしいことを考えついたものです。
今回抜擢した子供たちは映画出演経験はありません。
事前にワークショップで演技レッスンをするのは当然。
でもそれだけでなく、スタッフも経験することによって映画制作の仕組みそのものを知ることが出来るのです。
映画は決して役者と監督だけで出来るものではないと。
色んな分野のスタッフがいてこそ成り立つものだと。
最初の現場でそれを知ることは非常に重要なことだと思います。
中にはカメラに興味を持ち、本格的に勉強したいと言い出す子もいました。
それぞれ得難い経験が出来たのではと思います。
「ちょっとそこ立ってピントもらえますかー?」
「いま光、来てます?」
「監督、次のカットは切り返しですよね?」
初めはシーンとカットとテイクの概念さえ分からなかった子供たちだったのが、
監督の指導でいつの間にかこんな言葉が飛び交うように。
本当に彼らの吸収力は凄いなと思います。
中島監督の絵コンテに沿い、順調に撮影は続きます。
おなじみRKB「今日感テレビ」の取材クルーにも来て頂きました。
ディレクターの三浦さん、いつもありがとうございます。
すっかり子供たちのおもちゃにされ、アオサまみれの土居さん。
なつやすみの美女軍団。
さてさて、タイムカプセルは見つかったのでしょうか……。
子供パートの時は大人の役者さんがスタッフをします。
葵紬カメラマン、なんか楽しそうでした。
そして迎えるラストシーン。
ちょっと切ない、余韻の残るいい場面でした。
いやー、こんな発想は私にはないですわ。脱帽。
スタッフも役者も経験し、一回り成長した彼ら。
月並みな表現ですが、ホントに子供たちの可能性は無限大だと思います。
でも絶対やるよね、これ。
完成したMVは近日中にWEB上で公開!
さらに驚きのあの場所で製作発表も!?
お楽しみに!